ナイスなサイズ!! 黄泉ヲ裂ク華 レビュー

ゲーム感想

良作「黄泉ヲ裂ク華」新価格で発売!!

ついに、発売!!
「黄泉ヲ割ク華」/エクスペリエンス

遅れ馳せながら4月28日に「黄泉ヲ裂ク華」が『EXPERIENCE SELECTION』として
新価格3,800円で発売されていたことを知りました。

実は、エルデンリング発売一ヶ月前にたまたま見つけて購入、プレイしていました。

「Wizardry」や「世界樹の迷宮」のようにダンジョン探索型のRPGは好きだったのですが
難易度が高いこともあって、どれも挫折していました。

しかし、この「黄泉ヲ裂ク華」はサクサクと攻略を進められ、本命ソフトの発売一ヶ月前
という絶妙な空白期間を見事埋めてくれた作品です。

今回は『EXPERIENCE SELECTION』の発売を記念して、この作品の魅力を語って
いこうと思います。

ダークな「昭和✕ファンタジー」世界観

舞台は高度成長期の日本。しかし言葉の華やかさとは違い、薄暗く泥臭い雰囲気で
その延長線上に物語の中核となる「黄泉」と呼ばれる構造体が存在します。

プレーヤーは労働者「地下探行士(アンダーノーツ)」として一連の事件に
巻き込まれていきます。

求人誌に載っていたらまず避けるタイプ
「黄泉ヲ割ク華」/エクスペリエンス

まず目につくのが、スーツに日本刀を装備した異様な出で立ちと、妙に艶めかしく
グロさも感じられるキャラクターでしょう。

おっさんの豊満な肉体も艶めかしく動きます
「黄泉ヲ割ク華」/エクスペリエンス

キャラの立ち姿と昭和×ファンタジーな世界観は独特で人を選ぶクセもありますが、私は
けっこう好きでプレーヤーが「冒険者」というよりも「管理職のサラリーマン」な所も
一風変わった風味として楽しむことができました。

この絶妙に大人向けな部分も作品の味ともいえます。

良かった点

このゲームのおすすめな部分は、ダンジョン探索を快適にする様々なシステムです。

こんな面倒くさそうなダンジョンもラクラク移動!!
「黄泉ヲ割ク華」/エクスペリエンス

ダンジョン型PRGの挫折ポイントとして、私は深い層に行くほど敵が強くて
パーティーの立て直しが面倒になる、という点がありました。

中盤ぐらいの「行くのも帰るのも一苦労」なマップにさしかかり、さて探索を
と思ったところで厄介な敵に出会い死亡者が出て、町へ戻らざるを得なくなる
という経験を何度かしますと、かなりやる気が削がれてしまいます。

「黄泉ヲ裂ク華」はこの点、かなり便利な設計がされていて、中継地点を自分で
決めることができる上、キャンプと中継地点を簡単に行き来できるようになっています。

これで私の挫折ポイントはかなり軽減できました。

さらに、マップの自動移動機能もあり、広いダンジョンの探索もかなり快適に
なっています。

ダンジョン型RPGに挫折していた方にはぜひともおすすめしたい点です。

経験値稼ぎもラクラク

「黄泉ヲ裂ク華」の独自システムに「ダンジョンビルド」システムがあります。

青いシンボルはプレイヤーが設置したもの
「黄泉ヲ割ク華」/エクスペリエンス

迷宮構造を変化させるというものですが、これ自体にはストーリーが進んで行けるエリア
が増えたぐらいの感覚しかありません。

しかし、このシステムが輝くのが敵を自由に配置できる所です。

キャンプとのワープポイントの周辺に敵を設置してレベル上げ+アイテム収集を
楽々行い、ピンチになったらキャンプに戻って回復。という方法が取れます。

ダンジョンでのエンカウントも低めなので、短い時間でもはっきりとした目的を
もって効率的にゲームを進められるのもおすすめな点です。

微妙な点

次に紹介するのが悪い点、というより微妙な点です。

微妙に決まっているキャラ設定

ダンジョンRPGの楽しい部分として、オリジナルキャラの作成があるでしょう。

細かな設定をたっぷりと詰め込むもヨシ、あくまでコマとして作成するもヨシ、と
各々が密かに楽しむ部分です。

しかしこの「黄泉」では、主人公によって採用された新入社員で、各々が危険な
仕事に従事することとなったバックボーンが設定されています。

賛否分かれそうなキャラのバックボーン
「黄泉ヲ割ク華」/エクスペリエンス

キャラクターのイラストも、あらかじめ想定される職種(ジョブのようなもの)の
装備を身に着けているため「大男だけど魔法職」のような意外性のあるキャラを
妄想するのがちょっと難しくなっています。

もちろん、実際にはイメージを無視してキャラを作成することが出来ますし、
各々設定も自分で書き換えることができます。

ですので欠点と言えるほどではありませんが、気になって没入できない方も
いるかもしれません。
(自分はちょっと違和感がありました)

復活アイテムなし

このゲーム、キャラの復活はキャンプでのみ可能で、アイテムや魔法はありません。

戦闘も難易度低めですが、メンバーがそれぞれの長所と短所をカバーしあう戦い方に
なるので、一人倒れるとパーティーが総崩れとなることが多々あります。

ただ、この手のダンジョンRPGの場合は、その後の探索も考えながら行う通常戦闘の
ほうが、じっくり腰を据えて戦えるボス戦闘に比べて重要になるので、その辺の
バランスを考慮した結果とも考えられます。

プレイした感じでは、通常戦闘で仲間が倒れてもキャンプとの行き来は楽なので
それほどストレスは感じませんでしが、ボスでは総崩れの危険性が一気に高まるので
かなり緊張感がありました。

けっこう賛否が分かれる部分だと思います。

クラスチェンジの幅の狭さ、スキルは割り振り可能

「黄泉」には、
戦術工、防術工、闘術工、魔術工、聖術工、猟術工、斬術工、忍術工の8種類の
職種(ジョブ)が用意されています。

物語を進めると、さらにそこから「昇進」が可能で「専門」と「総合」のどちらかを
選ぶことができます。

専門はその職種の強みをさらに伸ばすもので、総合は他の職種のスキルも獲得
できるようになります。

キャラクターのジョブを変えて自分好みのキャラを作るのは、このシステムのある
ゲームでは醍醐味ですが「黄泉」では複雑なチャートがあるわけではなく、けっこう
シンプルな感じなので、少々物足りないと感じたプレーヤーも多いようです。

私も少々物足りなさを感じましたが専門と総合ではまたキャラの性格も
変わってきますので、それなりの深みは感じました。

またスキルは振り直しが可能で専門と総合も切り替えが可能です。

事前に攻略サイトで頭を悩ませる必要が薄いので、お手軽という意味では嬉しい所
ともいえるでしょう。

DLC込で一本のストーリー

これも賛否が分かれそうだと感じた部分。

メインヒロインのルキちゃん
「黄泉ヲ割ク華」/エクスペリエンス
https://www.nicovideo.jp/watch/sm37698334

DLCというと、本編+αの物語という構成が多いですが「黄泉」ではDLC込みで全体の物語が
完結するような構成になっています。

プレイ時はわからずに色々と調べたりもしました。

今回発売する『EXPERIENCE SELECTION』ではDLC込の販売となっていますので、
ご安心ください。

 

私個人のお気に入りポイント

ゲームの全体的な解説をしてきましたが、ここからは私が個人的に気に入っているポイントを
紹介したいと思います。

あくまで個人の感想ですが、ツボが合いそうでしたら購入を検討してみてください。

おすすめは騎士職 お気に入りは忍者職

ゲームの中核となるキャラの職種ですが、その中でおすすめなのは防術工です。

シールドを装備して、仲間の攻撃を受ける活躍は作品全体を通して活躍してくれます。
ダンジョンRPG初心者でしたらいるといないので難易度が大きく変わってくるでしょう。

それとは別にお気に入りなのが忍術工です。
前衛、後衛と職種の適正がはっきり決まっている本作で、中衛という前後どちらにも
配置できる柔軟性がありますが、その分育成の難しさもあります。

前衛の場合は回避型のタンクとして活躍が期待できますが、私は後衛で手裏剣両手に
数で攻める戦い方をさせました。

攻撃力が高く、敵にガスガスとダメージを与える様は痛快で、パーティーの安定した
ダメージソースにもなってくれました。

ほかにも1ターンためて強力な攻撃を繰り出せる闘術工や相手の属性を的確につく魔術工
など快感なポイントはいくつもありました。

熱いテーマソング

PVでも流れていた作品のテーマソング「なめんなよ」

昭和のテイスト漂う曲調ですが、暗くなりがちな作品を熱く盛り上げてくれます。
作中の人物にもファンが多いのも納得の名曲です。

多分モデルは「金ちゃんヌードル」ヨミヌー

物語は「黄泉」に閉じ込められて、そこから脱出する方法を探すことになります。

ライフラインが確保されたキャンプがあるとはいえ、地中深くに閉じ込められ地上と
連絡が取れない状況は息苦しく絶望的な状況です。

そんなキャンプを彩ってくれた食べ物がヨミヌードル、通称「ヨミヌー」です。

多分、モデルはこれ
金ちゃんヌードル/徳島製粉株式会社

これはコレクターズアイテムの役割も持っていて、ダンジョン内で探索して見つけると
ゲームの世界観がわかるテキストを読むことができます。

気晴らしに読むと、なかなか止まらない面白さがあります。

あと、これは私見ですが、ヨミヌーのモデルはカップヌードルではなく、金ちゃんヌードル
ではないかと睨んでいます。

プレイのお供に食べたくなるナイスなシステムです。

スイッチでよりお手軽に遊べる良作

ここまで「黄泉ヲ裂ク華」についてレビューしてきました。

やりこみ要素は多くなく、長く遊べるソフトとは言えませんが、逆に気軽に遊べる
魅力があります。

ゲームに出てくるヨミヌーが、小腹が空いたときに丁度よい食べ物であるように、
本命のゲームまでちょっと間があるときに丁度よくプレイできる、そんなゲームです。

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