全宇宙待望の『アーマードコア6 ファイヤーズ・オブ・ルビコン』。
後半レビュー始めます。
身体が闘争を求める方、X(旧ツイッター)でコーラル中毒者を目の当たりにした方、ポリコレ推進者の方は、ぜひとも購入の参考にしてください。
アーマードコア6 良かった点
まずは、アーマードコア6で良かった点について語ります。
キャラクターが魅力的・ストーリーが濃密
今作は、過去作に比べて登場人物が多く、激戦の地を彩ってくれます。
まずは、主人公の飼い主であるハンドラー・ウォルター(通称、ごす、ごすずん)
発売前に公開されたトレーラーからは、強化人間を使い潰す冷酷な人物かと思われましたが、物語を進めると、印象が徐々に変わっていく人物です。
犬(621)が可愛かったので……。
「田吾与作ちゃんねる:リンク」より
多くのリードを持つ手がアイコンとなっています。主人公と同様の強化人間を、これまで多数使ってきたことが伺えますが、物語が進むと、色々なものに縛られているようにも見えてきます。
ウォルターと対となるのがヒロイン(?)のエアです。自らをルビコニアンだと自称していますが、どんな人物で、どうやって主人公と通信しているのか出会った頃は謎な存在でした。
ルッキズムへの、フロムの回答。
「アーマードコア6」 / フロム・ソフトウェア
ハッキングや、ジャミングによって通信できない場所でもサポートしてくれる(伏線)ナイスな存在です。
素敵な仲間とミッションに立ち向かう621(プレイヤー)ですが、立ちはだかる敵たちも、負けじと魅力的なのが本作。
まずは、作中屈指の人気キャラであろう、レッドガン部隊の総長ミシガン。
イメージは、まさにこれ。
映画「フルメタル・ジャケット」より
軍人気質なお方で、主人公や部隊の仲間に対して軽快な口調で罵倒してきます。その軽快な口調と実は仲間想いな姿は、涙なしでは倒せません。
もう一方の企業部隊であるヴェスパーのスネイル。
重装ACなのが、また「らしい」。
「アーマードコア6」 / フロム・ソフトウェア
冷酷かつ高慢な態度で、同じ部隊の面々からも嫌われている様子。
しかし、アリーナでの他のメンバーのランクを見るに、色々と苦労している様子が浮かび上がってきます。この辺は、まさにフロムマジックとも言えるでしょう。
また、外せない人物として、世界の「戦友」ラスティーが挙げられます。
発売前は「壁超えおじさん」と呼ばれていました。
「アーマードコア6」 / フロム・ソフトウェア
爽やかに621を「戦友」と呼び、ACは軽装ながらも接近戦仕様であり、実は狙撃も得意という、まさに万能キャラといえる存在です。
しかし、単なるエースというわけではなく、言葉の端々や機体構成から、なにか思惑を抱えているご様子。
彼が敵となるか味方となるか……。アーマードコアという世界が詰まっている存在です。
最後に紹介するのが、傭兵支援システムのオールマインドです。
初代では傭兵管理システムが、世界を裏から操っていました。今作もそれを匂わせる描写が所々にあるのですが、なんといってもポンコツぶりが目立ちます。
ポンコツ系AI。
出典:二次元裏@ふたば
ネタバレとなるので、ここでポンコツエピソードは伏せておきますが、一つ上げとすると、とにかく色違いのエンブレムをたくさんくれます。
報奨に色違いエンブレムを選択するあたりに、ポンコツぶりがうかがえるでしょう。
このようにAC6のキャラは噛めば噛むほど味のでるガムのような魅力があるのです。
武器のバランスが絶妙
実は最初は、武器バランスに関してはさほど期待していませんでした。ある程度時間が経って、強武器情報が共有された頃にバランス調整が入ると、私は予想していました。
しかし、アーマードコア6の武器バランスは実に絶妙なものでした。
まず、最初に強武器として有名になったのがガトリング。
シリーズでも伝統の一品。
「アーマードコア6」 / フロム・ソフトウェア
これは過去作でも強かったので納得でしたが、次に有名になったのはショットガン、さらにその後はレーザーショットガン、ハンドミサイル、初期ブレード、特殊ミサイルと強さのトレンドがどんどん変化していきました。
現在(9月27日現在)はアプデにより、ライフルが強化されて、対戦でもちらほらと見かけるようになっています。
初期ブレ。日系の企業のものらしく、匠の技が光る。
「アーマードコア6」 / フロム・ソフトウェア
過去作は、強武器と産廃武器がけっこう別れていましたが、今作はどの武器も使い方がわかれば相手を倒せるポテンシャルを秘めている感じがします。
アーマードコア6が、如何に作り込まれた作品かがうかがい知れます。
高難易度ながら、腕前の上達を感じられるゲームバランス
高難易度で有名な本作。ゆえに購入を迷っている方も多いのではないでしょうか。
アーマードコア6は、たしかに難易度の高いゲームです。強いボスには何度も負けることになるでしょう。
しかし、それでもまた戦いたくなる強さ、辞め時がわからなくなる面白さがあります。
また、勝てない相手には武器や機体構成を変えて挑むのも有効です。
これまでアセンブルした機体と誉を捨てて、重装のガチガチのタンク(ガチタン)で挑む方法もあります。
誉れは「壁」で死にました。
「アーマードコア6」 / フロム・ソフトウェア
むしろ、ACシリーズは、一度誉を捨てて、何が何でも勝利することが、プレイヤーの上達に繋がるように思えます。
アップデートで一部のボスが弱体化したのもあるので、高難易度で購入を迷っている方は、ぜひとも購入を検討してみてください。
気になった点
ここからは、気になった点をレビューしていきます。
「悪い」と言わないのは、主観があるのはもちろん、ゲームバランスと密接に繋がった部分なので、単純に判断できないからです。
古参レイヴンゆえに意見かもしれませんので、ご了承ください。
ミッションがどれも濃い目
アーマードコア6のミッションは50以上あり、過去作と比べても多い部類に入ります。それでも、ストーリーに間延びした感じがなく、むしろ短いとすら感じさせます。
ただ、私としてはミッションの1つ1つがストーリーに関わってくるため、濃い目に感じました。
特に中盤以降は、ストーリーの進展も大きく、激戦に次ぐ激戦で、1ミッションクリアするだけでお腹いっぱいになりがちです。
それは、舌が休まる暇がない阿倍一郎特製フライ定食のように。
「ミスター味っ子」 寺沢大介 講談社
過去作には、ただ敵を倒すだけ、輸送車を護衛するだけ、のようなシンプルなミッションも多く、適度な息抜きになっていました。
ストーリー的な都合もあると思いますが、傭兵の日常、もしくは主人公の名前が売れるまでの下積み期間のようなミッションがもっと欲しかったように思います。
テクニカルな戦い方が必須
アーマードコア6を触ってまず感じたのは、弾の追尾性が低さです。
過去作は弾の追尾性が結構高く、対人でかわすのは、それなりの腕が求められましたが、ミッションでの攻略は楽でした。
今作は追尾性が低いため、特に敵ACにヒットさせるには、別の攻撃をして避けた所を本命の武器で狙う、接近して当てるなど、工夫が求められるようになりました。
4箇所の武器を同時に使えるゆえ、組み合わせを意識したのかとも思いますが、反面下手な装備をしてしまうとどうにもならない事になってしまうこともあります。
OPの謎AC。実はかなりのプレイヤースキルを要求される装備。
「アーマードコア6」 / フロム・ソフトウェア
またスタッガーシステムもあって、ダメージは与えられる時に与えないと、ジリ貧になってしまいがちです。それ用の装備も考えなければいけません。
どうもこれがアセンブルの幅を狭めてしまっているように感じました。
(と言っても、上手い人は平気で当ててきますが)
この点は、プレイヤーによって評価が分かれる難しい所でしょう。
救済措置に限りがある
アーマードコア6での死にポイントは、道中よりも最後に待ち構えているボスでしょう。
ガスコイン神父的な存在、バルテウス。
「アーマードコア6」 / フロム・ソフトウェア
特に後半のボスはどれも強敵で、何度も倒れて粘るようにして勝ちました。終盤にもなると、OSチューニングによるパワーアップも限界を迎えていて、あとは腕前で勝つしかなくなります。
これは正直、辛く感じた部分でもあります。
ソウルシリーズですと、他プレイヤーに協力を要請することで、難敵を切り抜ける方法があり、私も何度も助けられました。
ACだとシステム的に難があるんですかね?
「ダークソウル3」 / フロム・ソフトウェア
これも賛否もあるでしょうが、アーマードコアにも、ソウルシリーズのような、もしくは新たな形での救済措置がほしいと考えています。
今後にアップデートに期待したいところです。
【アーマード・コアVI ファイアーズオブルビコン】総評 95点
アーマードコア6 ファイアーズオブルビコンの得点は95点とさせていただきます。
10年ぶりの新作ということで、期待しすぎないようにしていた部分もありましたが、それはまったくの杞憂でした。
アーマードコア6はまごうことなき名作です。100点中95点なのは、自分の中ではっきり評価できずマイナスと言っていい部分かどうかが、まだ判断できなかったからです。
今後のやりこみによって、95点が100点や120点に修正するかもしれない深さをもっている作品だと言えます。
アップデートもこれから入ると思われますので、新たな進化も期待できます。
過去作をやったことがないから。高難易度だから。と購入を迷っている方は、ぜひとも購入して、戦場に漂うコーラルに脳を焼かれてみてください!
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